妊娠・出産に伴い、女性の身体はダイナミックに変化を遂げていきます。
開いて歪んだ骨盤、ホルモンバランスの変化に伴う様々な不調、慣れない赤ちゃんの世話・・・。毎日を必死に過ごす中、ふと鏡に映った自分の、妊娠前とは程遠い体型を目の当たりにしてショックを受けた方も多いのではないでしょうか。
ここでは、普段の生活から取り入れることのできる、無理のない産後ダイエット法をお伝えしていきます。
【産後ダイエット、いつから始めてもいいの】
昔からの習慣で、「産後の床上げ」という言葉があります。産後3週間は布団を敷いたままにしておき、赤ちゃんのお世話だけに集中する。そして、休めるときに休む。
なぜこのように言われているかと言うと、この期間に無理をしてしまうと、子宮の戻りが悪くなったり、会陰切開後の傷が開いてしまったりと、様々な不調を引き起こす可能性があるからです。
そのため、産後は、ダイエットも自己判断で早い時期から行なわず、必ずかかりつけの医師と相談の上始めていくことが大切です。産後の身体的なトラブルがないことを確認の上、産後1〜2ヶ月頃を目安に始めるのが良いでしょう。
【産後ダイエットのキーワードは「姿勢」と「骨盤」】
産後太りの解消には、「骨盤を整えること」が大切です。
出産により開き、歪んだ骨盤は、おおよそ3〜4ヶ月かけて自然と閉じていきます。6ヶ月頃には骨盤は固定されるので、歪んだ位置のまま固定されてしまうと、戻すのが大変。
その前に、骨盤を正しい位置に戻してあげることによって、良い姿勢を保つことができます。良い姿勢を保つことで、内臓の位置が戻り、血流や代謝もアップ。結果として、産後太り解消に繋がっていくでしょう。
骨盤ベルトを使用する方もいると思いますが、骨盤を整えるというよりは、骨盤を支え楽に過ごすことの出来るアイテムです。また、ガードルは締め付けが強く血行不良を招く恐れも。
どちらも、骨盤を正しい位置に戻す効果は期待できないため、快適に生活するためのサポートアイテムとして使用して下さい。
また、良い姿勢を保つのに必要なことは、骨盤を整えるだけではありません。
お腹周りを中心とした「インナーユニット(腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋群)」と呼ばれる体幹部の筋肉をうまく使えるようになることが必要です。
この姿勢を保つための筋肉をうまく使えていないと、基礎代謝の低下にもつながります。基礎代謝が低下すると、安静時に消費されるエネルギー消費が落ちてしまうので、痩せにくい体質へと繋がります。
【スキマ時間で出来る ながら運動・ストレッチ】
産後は、赤ちゃんの世話や家事などで、十分な時間をとることが出来ない方も多いでしょう。
産後ダイエットでは、日常生活の中での運動習慣をつけること(子供との散歩等)、骨盤を整えるストレッチやインナーユニットを鍛える体操を行うことの2点に重点を置いてみると良いでしょう。
ここでは、簡単に出来る体操・ストレッチをご紹介します。
骨盤底筋群(インナーユニットの1つ)を鍛える体操
①仰向けになり、膝を立てて脚を組み、両手は体の横に置く。
②お尻から骨盤・腰・背中の順に持ち上げていく。
→この時、腰を反らさないように
③息を吐きながら腰を上げ、上げきったところで息を止める。
そして深呼吸を1度して、同時に肛門をギュッと締めます。
④息を吐きながら腰を床に下ろしていく。
※反対の脚も組み替えて行う。回数は10回程度。
姿勢改善に効果的・腸腰筋のストレッチ
①方膝立ちをし、手は膝の上に置く。
②上半身を前方にスライドさせ、後ろに伸ばした脚を伸ばす。
→伸びている実感があればOK
内臓を正しい位置へ戻す「寝たまま体操」
①仰向けに寝て、両足を肩幅へ広げる。両手は真横に、手のひらは天井に向ける。
②大きく息を吸いながら、爪先を立ててかかとを押し出すように両足を伸ばす。
③足と同時に、両手の親指を思い切り遠くへ突き出すように伸ばす。
④一気に力を抜く。ダランとした状態で10秒間静止。
→全身の筋肉がリラックスして、血流の改善も見込めます。
【産後はバランスの良い食事を】
産後も、妊娠中同様、必要なエネルギーと栄養素を摂ることが必須です。そのため、過度な食事制限や置き換えダイエット等、偏った食事によるダイエットはNG。
比較的高タンパク・低カロリーであることが多い和食を中心に、規則正しくバランスの良い食事が大切です。
どうしても食欲が抑えられず、過度な間食や食べ過ぎてしまう方は、1回の食事量を減らし、1日の食事回数を4〜5回に増やすことによって、空腹感が紛れ、食べ過ぎや間食を防ぐことができるでしょう。
【まとめ】
妊娠・出産に伴う体重増加は、ごく自然なことです。出産直後は、一時的に体重がストンと落ちますが、なかなか落ちない体重は、長い妊娠期間をかけて増えた分です。
少しずつ増えた体重は、無理なく少しずつ落としていくことが体重管理のコツです。無理なダイエットや減量は、リバウンドしやすい身体になったり何らかの不調を起こしやすくなります。
忙しい育児・家事の中でも取り入れられることから無理なく始め、健康的な体型を目指しましょう。
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